私の師匠にあたる椿瀬誠様の作品「CAMPUS LIFE」を紹介します!
現在、この作品の続編が椿瀬様のサイトAnother Landにて好評連載中です。
―――あらすじ―――
運命の出会いを求め、地方の大学に進学した、主人公・真部祐紀。
ボランティアサークルで、出会った「鎌井直」と、いいカンジ。
なんだけど……祐紀には、誰にも言ってないヒミツがあった。
この作品、設定が実に面白い。
かなりのネタバレになるが、コンセプトは逆転カップルラブコメディー。
つまり、オカマとオナベのカップルである。
今作での主人公は辛い過去があり、地元から逃げてきた一人暮らしの大学生の真部祐紀。
実際、今作では明かされないがとんでもない過去を持っているオナベだ。
その辺は続編「CAMPUS LIFE R」を読んで頂きたい。
web小説でも舞台にされることがあまり無い大学という世界。
高校での学園生活というものが主流の現在のweb小説ラブコメとはひと味違う味が出ている。
地元を飛び出し、いざキャンパスライフを満喫するぜ!と意気込む主人公。
心の優しい女の子が一杯いると思って入ったサークルはなんとマッチョ2人しかいないむさ苦しいサークルだった。
そこで登場のヒロイン兼オカマ、鎌井直、本名鎌井直紀。
その子の登場で主人公はそのサークルにとどまることを決める。
そして、その子に様々な方法でアプローチをかけていくのだ。
この作品で目を見張るところと言えば、キャラクターの個性である。
実際、メインとしてはわずか4人しか出てきていないが、それぞれが強烈に濃い。めちゃくちゃ濃い。
メインカップルの二人がオカマにオナベっていうのもかなり衝撃的だが、ボランティアサークルの会長、副会長のマッチョコンビもかなり濃い。
「姫、ヅラってどういうことさ?」
「ごめんなさい……実は私、男なんです。名前も本当は、鎌井直紀です。……すみません……」
あぁ、冗談じゃなかったんだね……。少し気が遠くなってきた。
親に勘当されたのも、これが理由なのかな?
「アツシィィィィィ」
「ツヨシィィィィィ」
細木さんと剛田さんが、抱き合ってテイクオフ――現実逃避してしまった。
思わず吹き出した
この二人の行動は実に面白い。
脇役に徹しながらも、存在感を存分にアピールしており、物語のテンションを高める重要な位置にあったかと思われる。
個性豊かなキャラクター達がこの物語をしっかりと牽引していっているのは間違いない。
しかし、濃いキャラクターばかりで脇役でもいいから普通のキャラクターが出てきてほしかった。
平凡なキャラクターが出てくれば、周りの個性豊かなキャラクターがさらに引き立てられ、それに彼らの行動にツッコミなどを入れられたのではないだろうか?
個性豊かなキャラクター達をさらに際だたせる為の工夫が少しほしかったのが本音であるが、所詮工夫である。そんなキャラがいなくてもメインのキャラ達はかなり目立っていると言えるだろう。
最後に、話の構成について述べたいと思う。
この話は春から始まり、秋で終わった。
その約半年の間を8話、いやプロローグ、エピローグを除くと6話の中にまとめ上げた技術は素晴らしいと思う。
実際、それだけの期間を書くとなると10話、20話いってしまう場合もある。
しかも、恋愛が成就するまでの流れである。
何故、6話で丸く収められたかというと、起承転結がハッキリしているからだ。
最近の長編、または恋愛小説は起承転結が起承承転転結転結って感じになっていると思う。
出会い、恋に落ちる。でも、その恋を成就させるには壁を乗り越えなくてはならない。そして、何とか乗り越えるも、またも新たな壁が立ちはだかる。
つまり、アッサリとゴールインさせないのだ。
こう、一つの壁を乗り越えゴールしたこの作品はかなりスマートな作品だ。
しかし、短い分欠落した部分も多く、やはり6話分で約半年分は苦しかったかもしれないと思われる。
自分としては、最終話にあたるエピローグはいらなかったのではないかと思う。まぁ、続編を書いているので今では必要不可欠な話だが。
後日談というものはあまり書かない方がいいと私は考える。
苦難を乗り越えたそのあとは、読者の想像にお任せする。読み終わったあとも、読者はその後どうなったかを自分で想像することによって物語の余韻につかることができるのだ。
それに、いらぬ伏線を張っている点も少し気になる。
続編で明かされているとはいえ、真部祐紀の伏線はここでは必要なかったのではないだろうか?
続編の最初で伏線を張っていても十分間に合ったと私は考える。
書評のまとめとしては、かなりスマートで強烈な作品であったといえる。
その分、少し長さが苦しかったかもしれないし、意味のない伏線があった。
物語としてはかなり面白く、個性的キャラにかなり笑わされる物語だ。
台詞のところを太字にしてあるので読みやすい点も良い。
なかなかオススメな作品であると評し、書評を締めくくりたいと思う。
掲載サイト Another Land
掲載ページ CAMPUS LIFE
作者 椿瀬誠

